MEDIA AMBITION TOKYO

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MOON PARKA with SANSUI

THE NORTH FACE X Spiber with EUGENE KANGAWA
歴史的な発表の背景にあったひとつの芸術作品
“未来像の共有”というかたち。

2015年10月、表参道ヒルズ スペース オーにて、国家プロジェクトにも指名選定される山形県庄内のバイオベンチャーSpiber Inc.と、国内アウトドアアパレル最大手のTHE NORTH FACE(GOLDWIN)による、素材革命の幕開けとなる新世代タンパク質素材の共同開発プロジェクトの発表が行われました。

実用化は困難、夢の素材と考えられてきたクモの糸は、最新のテクノロジーによりTHE NORTH FACEの頂上製品のひとつ”ANTARCTICA PARKA”をベースにしたアウタージャケットに姿を変えました。(これはアパレル工業ラインを世界で初めて用いて作られたタンパク質素材のプロトタイプでした。)

最先端のテクノロジーを結集し完成した”MOON PARKA”ーこの素材の史上大きな変革のフィロソフィービジュアルとして用いられたのが、本展で”Syndrome/Earth Hole”を出展しているEUGENE KANGAWAのモノクロの映像作品“SANSUI”でした。

“SANSUI”は、作家が庄内の山伏との交流を経て見出した、“かつて消滅した山岳宗教の修験道”を脚本に、実際に厳冬期の東北の山々を歩き、壮麗な景色がモノクロフィルムによって描かれた作品です。

民間伝承では「太陽の山」と呼ばれる鳥海山と「月の山」月山を地図の上で一直線に結び、その上で昼夜めまぐるしく織りなす雪の山々、川や滝などの水系、森、地、天...などの循環の美しいイメージが収められています。身体的に非常にシビアな「苦行」とも言える体験を超越して獲得された審美的なイメージ群は、超解像度の圧倒的な映像美もあいまって、視るものに静謐で瞑想的な体験を可能とします。(これらは「過去に存在した宗教」が視ていたイメージと言えるかもしれません。)

そしてこの“SANSUI”が作られたしばらくあとに、庄内を中心とするSpiberと、自然をテーマとするTHE NORTH FACEとの共同研究開発が始動し、また“SANSUI”内で最初に登場する庄内の夜空に高く浮かぶ月のイメージは「MOON PARKA」と共鳴し、プレスカンファレンスでこの雄大な自然の美しい風景は、次世代の持続可能な素材の基盤となるイメージとして様々なメディアへ展開し使用されるなど、三者は非常に多くの価値観を共有していると言えます。

これらはいくつかの偶然が繋がって成立したコラボレーションであり、表層の作品提供とはまた異なる、芸術作品が先行しながらも未来像、価値観を高い基準で共有し協業する、アートとビジネスの領域を特殊な形で越える新たな協業の形を示しています。

Roppongi Hills ‘MAT LAB’, Mori Tower 52F, TOKYO CITY VIEW

Google Map

02.26—03.21  |  10:00—22:00

2月26日(金)–3月21日(月・祝)

Schedule
  • 入場料

    一般当日1800円、一般前売り1500円(東京シティビュー入場料)
    チケット販売:peatix 

    シニア(65歳以上) \1,500(税込)、高・大学生 ¥1,200(税込)、4歳~中学生 ¥600(税込)※チケットは森タワー3階チケットカウンターにて販売致します。

     

  • MOON PARKA with SANSUI
    THE NORTH FACE × Spiber with EUGENE KANGAWA

Artist Profile

  • THE NORTH FACE

    1966年、THE NORTH FACEはサンフランシスコで産声を上げました。これまで、私たちは様々な製品を通して、アウトドアの限界点を高めてきました。「自然を模倣するのではなく、自然に存在する複数の原理感の相互作用を調整し、これまでにない新しい機能を引き出す」というバックミンスター・フラーが唱えた“デザインサイエンス”の理念は、いまもブランドの根底に息づいています。また、「人類は地球のために成功するようにデザインされている」と彼は言います。自然と宇宙の関わり方が直視されている今、次の世代に正しい自然との関わり方、人との関わり方、ものを大事にする気持ちを伝えて行くこと。それがTHE NORTH FACEのミッションです。

  • Spiber

    慶應義塾大学先端生命科学研究所より、強靱かつ柔軟な「蜘蛛の糸」の製品化・量産化を世界で初めて成し遂げたバイオベンチャー。人工合成クモ糸繊維を含む、構造タンパク質素材の技術開発を加速させ、地球規模の課題の解決を目的としている。2007年に設立し、2013年に世界初の分野横断的試作研究施設プロトタイピングスタジオが稼働を開始し、同年に人工合成クモ糸繊維を使用した初のプロトタイプであるブルードレスを発表した。2014年、さらに研究開発を加速させるために本社研究棟を拡大し、翌年より稼働を開始。内閣府による「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の承認プログラムである「超高機能構造タンパク質による素材産業革命」においてコア研究組織として指名選定されており、平成27年度全国発明表彰では、21世紀発明賞を受賞した。

  • Photo by TAKAO IWASAWA

    Photo by TAKAO IWASAWA

    EUGENE KANGAWA

    1989年アメリカ生まれ。EUGENE KANGAWA MANAGEMENT,Object of Null創設者。

    デザインを専攻後、スクリプト(脚本)をもとにした映像やインスタレーションで脚光を浴び、一方で諸分野の特許開発や都市計画、人工知能、教育、デザインなどの様々な領域のプロジェクトに招聘されるなど、その活動像は国内外から注目を集めています。リサーチに裏付けされつつ詩的な世界観は、2013年にはサーペンタインギャラリー(ロンドン)でのプロジェクトや日本国内での複数の個展、2014年には音楽家Terry Rileyとの協業を行うなど国際的にも高い評価を得ています。3/16からは山形県鶴岡市にてAgricultural Revolution 3.0(農業革命3.0)展を開催。

    http://ek-m.com/
    http://eugene-kangawa.com/