MESが継続的に用いてきたレーザーとワックス、仮設資材による新作インスタレーション。レーザーを照射することでワックスが溶け、会期中にメッセージが彫り込まれるライブ型の作品である。本作はそれぞれ誕生と平和利用の象徴であり、一見つながりのない二つのモチーフである「ケーキ」と「原発」を、アメリカの家庭料理とウラン粉末の二つの意味を持つ「イエローケーキ」を通して繋ぎ合わせ、「誕生日」と「安全神話」について考察するものである。またテンポラリーな素材を用いながら、数十年かけて浸透してきた制度と慣習の発生を見つめたい。本作に始まるシリーズ ”meltdown”は、この米語と対応関係にある幾つかの 日本語-「溶解」「破綻」「怒り狂う」「炉心融解」 の共通点を日本社会を構成する諸要素と仮定し、ひとが誕生と成長を祝福する営みと、ひとの生存のためのエネルギーについて交差的に思索する。
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